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2019.01.18

台湾最大の実装学会〜IMPACT2018台北〜

Grand Joint Technology Ltd 大西 哲也

台湾最大の実装学会〜IMPACT2018台北〜

1. IMPACT2018台北

 気候のちょうど良い台北の南港展覧館において、2018年10月24日〜26日の3日間、IMPACT(International Microsystems, Packaging, Assembly and Circuits Technology)2018実装学会がTPCA(Taiwan Printed Circuit Association)ショー・台湾電路板産業国際展覧会と同時開催された。"IMPACT on Artificial Intelligence - Our Future"/人工知能に関するインパクト - 我々の未来"をテーマとし(図1)、IEEE, IEEE EPS、IMAPS台湾、ITRI台湾工業技術研究院、TPCA台湾電路板協会が主催、さらに6つの組織が協賛。

 

毎朝行われた計6つのプレナリスピーチの後、3日間に及ぶ28セッションの中では計143件の講演があり、総参加者593名(18か国の海外地域からは、計133名参加)による実装討議がなされた。(表1)。

 日本からの参加者数は、台湾についで多い、54名であった。

 

2. 計6つのプレナリスピーチに始まるコンファレンス

 10月24日(水)の朝、ITRIのDr.Chih-I Wu、Chair of IMPACT 2018によるスピーチでオープニングセレモニが始まり(写真1)、感謝表彰式(写真2)の後には、MediaTekのDr. Ryan Chenによる、"Edge AI Technologies - Now and Tomorrow"、Xilinx Inc. のAshish Sirasao氏からは、"Deep learning on Xilinx FPGAs"、そしてSBR Technology Co., Ltd. 西尾俊彦氏の"Packaging Technology Innovation and Trend toward 5G Era"の3つのプレナリスピーチがあった(写真3、写真4)。

 

 25日(木)の朝は、富士通(株)の菊池俊一氏による、"System Packaging Solutions for High Performance Computing in the Era of Big Data"、26日(金)には、

STATS ChipPAC Pte Ltd.の Dr. Seung Wook YOONから"Challenges and Opportunities of Advanced Packaging in Automotive Applications"と、TechLeadのDr. Charles E.BauerからPrinting in the Third Dimension;Design, Materials,Equipment & Applications in Electronicsのスピーチがあった。

 さらにテーマをしぼった特別企画セッションとしては、S1: Automotiveフォーラム(写真5)、S5:Heterogeneous Integrationフォーラム、S9:日本の実装学会ICEPフォーラム、S10:Advanced PCBフォーラム(AT&S)、S14: AIフォーラム(ASE)、S17:JIEPフォーラム、S18: Embedded Technologyフォーラム、S25:5Gフォーラム(ASE)(写真7)が開催された。

 

 講演の間にはコーヒーブレイクエリアでのポスターセッションも開催された。

 

3. 発表論文の内訳と参加者

 発表論文の内容としては、先端PCB25件、先端パッケージング23件、車載&パワー関連21件、先端材料とプロセス18件、信頼性と品質関連12件、モデリングとテスト関連10件、めっき関連10件、5Gと先端センサ10件、Ai4件、日本関連特別セッション10件の口頭発表計143件、ポスター発表43件であった。

 学会参加者は、台湾460名、アジア108名(日本54、中国18、韓国13、マレーシア13、香港5、その他5)、北米欧州25名(ドイツ9、アメリカ6、オーストリア4、その他6)の計593名であった(表2)。

 

 25日夕方のインターナショナルレセプションでは、IMPACT2017年ベストペーパー賞表彰(写真8)、民族ダンス(写真9、写真10)もあり、参加者の交流がいっそう深まった。

 

4. TPCAショー 2018

 24日の朝、台湾の実装技術の勢いを思わせる賑やかな銅鑼、太鼓、笛の鳴り響くパフォーマンス後(写真12)、台湾TPCA協会会長、Career Technology社長のRick Wu氏のスピーチにより、オープニングセレモニが始まり(写真13)、VIPによるテープカットが行われた(写真14)。

 

 このTPCAショーには、3日間で3万人を超える参加者があり、計412件の出展では、装置メーカーや材料メーカーが目立ったが、基板メーカー自身の参加は少ない。

 写真15に、オーストリアAT&S社のブースの様子を示すが、日本が得意だったはずの、部品内蔵基板の実装などを展示していた。

 

5. IMPACT 2019 & TPCAショー 2019

 次回のIMPACT 2019 とTPCAショー2019は、2019年10月23−25日に同じ南港展示場にて開催される予定である。実装現場が賑やかな台湾にて、実装の現状とこれからについて、日本からもさらにご参加いただき、議論を交わすことができることを願う。この数年は日本からの参加者が、海外からでは一番であり、日本と台湾の技術友好関係を示している。

 なお、本稿掲載の主な写真は、TPCAからご提供いただいた。

 

<参考URL>

http://www.impact.org.tw

Grand Joint Technology Ltd 大西 哲也

国内唯一の実装技術専門誌!『エレクトロニクス 実装技術』から転載。 最新号、雑誌の詳細はこちら

http://www.gicho.co.jp/ept/
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