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展示会レポート 2022.07.29

Medtec Japan 2022

エレクトロニクス 実装技術 編集部

Medtec Japan 2022

 

 

 医療機器の設計/製造に関する専門展示会/セミナーである『Medtec Japan 2022』が、インフォーマ マーケッツ ジャパン(株)の主催により、2022年4月20日(水)~22日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて開催された。

 同展示会は、『医療用エレクトロニクス展 Electro MED Japan』、『医療ICT・在宅医療展 Smart Health Japan』、『検査キット完成品&開発展 Test Kit Japan』、『メディカルシティ・災害医療・防災安全展 MedTech City』との併催で、出展社数は292社/団体、3日間の来場者数は11,917名に上った。

 

 

 

 (株)クローネのブースでは、超音波によって、厳しい衛生基準のある分野での用途に最適なクランプオン型 超音波流量計『SONOFLOW』シリーズを紹介していた。

 非接触で流量測定、気泡検出ができる本製品は、幅広い流量レンジを実現。

 様々なチューブ材質に対応し、装幀精度は±2.0% RD~。

 出力信号はアナログ、周波数、スイッチング、RS-485、となっており、人工心肺や透析装置への使用に適する各製品がラインアップされている。

 

クランプオン型 超音波流量計『SONOFLOW』シリーズに関する展示

 

 

 

 (株)アールストーンでは、既存チューブのキンク防止に貢献する「折れないチューブ」を紹介していた。

 ユーザーが使用しているチューブへの後加工で対応可能で、既存チューブを使用し、耐キンク製チューブを製造できるため、同チューブを使用した製品開発までの開発期間の短縮、製造納期の短縮、コスト削減に貢献する。

 様々な材質やチューブサイズ、長さに対応でき、板コイルの材質、肉厚、また幅についてもある程度自由に選択可能。

 チューブ自体には一切手を加えないため外層チューブの劣化などがなく、基本的にチューブ表面も凸凹しない。1本~少量から試作が行えるため、無駄なコストがかからない。
 

 

「折れないチューブ」に関する展示

 

 

 

 エイシン電機(株)では、コンパクトで設置しやすい卓上型の除菌庫JV-01EW『じょきんくん』を展示していた。

 本製品は、除菌用の冷陰極管タイプのUVランプを4本配置。

 棚板の上下にランプを配置し照射、さらに庫内を鏡面仕上げにすることによって、すみずみまで紫外線を行きわたらせることができる。

 スタートボタンを1回押すと運転を開始し、45秒後でスピード除菌。

 新型コロナウイルスに対しても、紫外線除菌の高い有効性が確認されている。

 除菌を終了すると自動で停止するなど、操作は簡単。

 冷陰極管の使用時間は約50000時間で、扉の開閉などの振動にも強い高耐久性の製品となっている。
 

 

卓上型除菌庫JV-01EW『じょきんくん』

 

 

 

 東北大学 μSIC プロトタイプ・ラボのブースでは、本年4月26日オープンの「プロトタイプラボ」を紹介。

 同ラボは、東北大学西澤潤一記念研究センター内に約300m2の広さで開設。

 電子工作、機械工作、評価に関する100台以上の機器を時間単位で利用可能で、半導体チップやセンサなどのデバイスを組み合わせたハードウエアの試作にも対応。

 商品に近い形まで完成度を高めることができる。

 試作コインランドリの新たな機能の一つとして運用され、装置は登録すれば誰でも利用可能で、経験豊富なスタッフが常駐し、ものづくりを総合的に支援してくれる。

 ブースでは、プロトタイプ例として、ボタン電池を内蔵せず、小さく(低残留リスク)、低コスト、安全、低環境負荷の「飲み込み体温計」を展示し、注目を集めていた。
 

東北大学 μSIC プロトタイプ・ラボのブース

 

 

 

 (有)城山精機製作所のブースでは、金属加工、塗装、アルマイト処理、シルク&レーザ印刷まで一元管理し、コスト削減と納期の短縮を実現できる、同社の技術を紹介していた。

 同社では創業以来培ってきた熟練のアルミ加工/鋳物の技術を今日に活用。

 熟練工の加工データ(工具選択、最適速度など)を、最新の加工機とともにIotに取り入れ、ユーザーのメリットに還元している。

 医療産業加工においては整形インプラントや人口骨など医療産業の加工を長年培った複合加工機/5軸加工機を使用し、無垢材からの工程集約加工が可能で、事例として内視鏡や超音波診断装置など診断機器や、人工関節、心臓ペースメーカー、カテーテルなどの治療機器に貢献する加工を紹介していた。 
 

(有)城山精機製作所のブース

 

 

 

 吉玉精鍍(株)では、自社のめっき技術の、様々なジャンルへの活用と展開を紹介していた。
 同社では不織布(ポリエチレン)への部分めっき(銅めっき)を可能としており、この技術を活かして、縫製のできる企業と組んで「電磁波シールド付きエプロン」をネット販売している。

 これは身近な電化製品から発生する電磁波を軽減する効果があるという。

 さらに、不織布などへめっきした素材を活用し、鉛レス、軽量化を実現した放射線遮蔽品として、低コストな放射線防護服を研究グループと共同で開発したその成果も紹介され、注目を集めていた。

 ブースではこの他に、めっきによる不織布への回路形成(金めっき)や、ガラスへの部分めっき(金めっき)、人工木材にQRコードを部分したものなどを展示していた。
 

吉玉精鍍(株)のブース

 

 

 

 (株)アール・ティー・シーでは、同社が推進する、医工連携に貢献する各種技術を紹介していた。

 同社の「荷重計測システム」は、圧力センサを用いて荷重を計測するもの。

 薄型であるため狭いスペースにも設置でき、センサの大きさや形状はカスタマイズ対応できるので、ベッドや布団に装着して体動や圧力分布を見ることができる他、車いすの座席部分に適用して快適な座り心地を探る、などの用途がある。

 この技術を応用した同社製品『Smart Insole』は靴の中敷き型で、圧力センサと9軸センサを搭載。

 「立位」と「歩行」を、スマートフォンで見える化することができる。充電式、無線給電もデータのクラウド管理も可能となっている。 
 

(株)アール・ティー・シーのブース

 

 

 

 同展示会の次回開催は、2023年4月19日(水)~21日(金)の3日間、東京ビッグサイトで予定されている。

Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社エレクトロニクス 実装技術 編集部

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