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展示会レポート 2022.05.13

ネプコン ジャパン 2022

エレクトロニクス 実装技術 編集部

ネプコン ジャパン 2022

 

 

 2022年1月19日(水)~21日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、エレクトロニクス製造・実装に関するあらゆる装置、技術、部品・材料が一堂に集まる専門技術展である、『第36回 インターネプコン ジャパン』を始め、『第36回 エレクトロテスト ジャパン』『第23回 半導体・センサ パッケージング技術展』『第23回 電子部品・材料 EXPO』『第23回 プリント配線板 EXPO』『第12回 微細加工 EXPO』で構成される『ネプコン ジャパン 2022』と、『オートモーティブ ワールド2022』『第8回 ウェアラブル EXPO』『第6回 ロボデックス-ロボット開発・活用展』『第6回 スマート工場 EXPO』『第1回 スマート物流 EXPO』が、RX Japan(株)の主催によって開催された。

 各社出展ブースに加えて、連日、製品技術セミナーや基調講演、シンポジウムなどのイベントも会場各所において数多く催された。

 上記展示会を合わせた3日間の総来場者数は、32,795名に上った。

 

 


 コグネックス(株)では、ディープラーニングベースのスマートカメラ『In-Sight D900』を中心に、様々な製品や技術の展示を行っていた。

 ディープラーニングを活用した極小チップの検査および欠陥分類に関する展示では、一つずつ見え方が異なるため検査が難しいとされる、積層セラミックコンデンサ(MLCC)について、目視検査でNG 品として判定されたMLCCを再度、ディープラーニング検査することで歩留まり率の向上やROIの改善に貢献するという、その効果を紹介。

 ディープラーニングの適用は、欠陥の早期発見と分類によって迅速な対応を可能とし、異物があればクリーンルームの改善を、スクラッチが見つかれば搬送工程の改善を顕在化させ、すばやいフィードバックに繋げることができるなど、利点が多い。

 

極小チップの検査および欠陥分類に関する展示

 

 

 

 第一実業(株)では、工場や倉庫の物流自動化ソリューション『LOGITO』(ロジト)を紹介していた。

 部品の検品や搬送、保管、ピッキングなどの工程に対し、ロボットや自動倉庫などの設備とシステムを組み合わせ、自動化/省人化を進めるソリューションで、同社が有する豊富な知見とネットワークに基づき、クライアントが使用する部品などを考慮した上でそれぞれの現場に応じた、国内および海外のメーカーの製品を紹介してくれる。

 ブース内では、棚搬送システムとデジタルピッキングシステムとWES(倉庫管理システム)をデモ展示。

 煩雑なピッキング工程の省人化、省力化を実現するものとして、多くの来場者が説明に耳を傾けていた。

 

棚搬送システムに関するデモ展示
 

 

 

 カトーレック(株)では、世界9ヶ国、12ヶ所に生産拠点を有する同社のグローバルなネットワークを活かしたサービス群を紹介していた。

 グローバル拠点展開でありながらも、同一品質でトータルなサポートを行う「電子機器の製造受託サービス」は、機器の、設計から資材調達、基板実装、組み立て、さらには物流までを実施可能で、ユーザーの要望に応じてフレキシブルに対応するなど、プラスアルファのサービスメニューを取り揃えている。

 民生から車載、航空/宇宙など幅広い生産実績があり、基板実装から完成品組み立てまで高品質なものづくりを実現し、工場から全世界に向けた出荷を可能としている。

 

カトーレック(株)のブース

 

 

 

(株)FUJIではブース内を様々なエリアに分け、同社が提唱する「FUJI Smart Factory」を実現する製品群を紹介していた。

 このうち、「最新SMTエリア」では、表面実装工程における「3つのゼロ」(実装不良 ゼロ、オペレータ ゼロ、機械停止 ゼロ)の実現を目指して開発された実装機『NXTR』の、新発売のハイエンドモデル『NXTR Sモデル』を展示。

 徹底したモジュール設計により、生産に応じた最適なライン構成を実現する同製品は、リアルタイムセンシング実装や、装着動作の最適化や装着後チェックなどのQCDを高い水準で維持する新機能を搭載。

 1アクションでヘッドの入れ替えが行える他、生産に合わせた最適なモジュール構成が可能。

 基板のサイズも、シングルレーンでは750×610mm基板、デュアルレーンでは370×280mm基板搬送に対応し、高効率な生産に対応する。

 

『NXTR Sモデル』

 

 

 

 ヤマハ発動機(株)では同社が提唱する、半導体後工程から表面実装工程のトータルソリューションを美しくスマートに実現する「1STOP SMART SOLUTION」を構成する製品群を紹介していた。

 プレミアム高効率モジュラ『YRM20』は、2ビーム2ヘッドでクラス最高レベルの115,000CPH の高い生産性と汎用性を実現する新製品で、小型チップ部品の搭載性能を向上させた、高速ロータリー型ヘッドを用意。

 ヘッド交換不要な「1ヘッドソリューション」を継承しており、小型の0201部品から、12×12mm、高さ6.5mmの中異型部品、大型部品まで対応。

 オーバードライブモーションを取り入れ、2つのヘッドの干渉領域を最小化して、生産効率を向上させたマシンとなっている。

 

『YRM20』

 

 

 

 FAシンカテクノロジー(株)では、高品質、高安定性を実現した自動はんだ付け装置『FXM-1 スマートディップⅡ』を展示、紹介していた。

 同製品は、独自の技術を多数採用。

 静止槽と撹拌式の組み合わせにより、品質の再現性と優れた熱交換効率を実現する他、フラクサ、プリヒータ、はんだ付けの各条件を数値制御にて管理することや、無停止での段取り替えが可能。

 投入口にはQRコードを標準装備し、自動運転設定によって、多彩な条件での自動混流生産が行える。

 また、酸化かすの発生が少なく、ランニングコストを抑制し、メンテナンス性にも優れており、作業時間の短縮に貢献する。

 

『FXM-1 スマートディップⅡ』
 

 

 

 ゼストロンジャパン(株)では、洗浄に関する技術的な課題や事例をパネルで展示、紹介していた。
 洗浄剤の提供と洗浄プロセスのサポートを行う同社には日々、様々な相談などが寄せられるという。

 「有機物の強固な固着によりワイヤボンディングなどの接合不良が発生している。

 コンタミ別に処理方法を変更しないと製品信頼性を確保できないが、効率性とコスト面から考えると作業工数は増やしたくない」という要望に対しては、難溶性物質、同酸化物の除去性を強化した水系洗浄剤『VIGON PE 305N』を提案。

 水系洗浄剤はイオン除去性に優れるが、この事例でも従来の表面状態への回復と、有機物残渣のスペクトルの消失が確認された。

 

ゼストロンジャパン(株)のブース

 

 

 

 同展示会の次回開催は、2023年1月25日(水)~27日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて開催される予定。

Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社エレクトロニクス 実装技術 編集部

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