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展示会レポート 2021.07.09

実装組立プロセス技術展2021

エレクトロニクス 実装技術 編集部

実装組立プロセス技術展2021

 

 

 2021年4月8日と9日の2日間、群馬県高崎市のGメッセ群馬において、「実装組立プロセス技術展2021」が開催された(写真1)。

 

写真1

 

 

 同展は、実装工程の中の後工程における専門設備メーカーが集結し、その自動化に貢献する製品を展示・紹介するもので、(株)アイビット、アポロ精工(株)、岩下エンジニアリング(株)、(株)弘輝テック、KnK(株)、(株)サヤカ、(株)日立技研、マランツエレクトロニクス(株)、メイショウ(株)の9社が出展した(写真2)。

 

写真2

 

 

 なお、この9社では開催に先駆け、「企業と企業・企業と顧客・顧客と顧客・装置と装置・サービス・情報――あらゆるものを結び、日本のものづくりの成長発展を無限に展開していきます」として「MUSUBI JAPAN QUALITY」という連合を作り、マーク(図1)も考案した。

 

図1

 

 

 このように、本展は、商社の主導による形ではなく、メーカーの主導で企画・運営されている点もまた大きな特徴となっている。

 場内はスペースが適度に確保され、密にならないような配慮がなされており、コロナ禍の現在にあって、都内への出張がなかなか難しい企業にとって貴重なイベントだったようである。

 

 

 

 アイビットでは、3D-X線ステレオ方式X線検査装置『FX-400tRX』を紹介していた(写真3)。

 

写真3 3D-X線ステレオ方式X線検査装置『FX-400tRX』

 

 

 同製品は、同社独自の「X線ステレオCT方式」によって、実装基板の水平断面300層を、約40秒で取得。

 110kV、200μAの高出力X線源によって、銅(3mm)なども透過する他、高解像度2μmの画像分解能によって微細な部分の画像を取得する。

 幾何学倍率500倍による高倍率撮影を実現し、独自の「X線ステレオ方式によって実装基板の表面、裏面の分離も約4秒で行う。

 

 

 

 アポロ精工(株)では、デスクトップ型メタルスリーブはんだ付けロボット『J-CAT 330CMS』を紹介(写真4)していた。

 

写真4 デスクトップ型メタルスリーブはんだ付けロボット『J-CAT 330CMS』

 

 

 このロボットは、軽量コンパクトなヘッドにカートリッジを採用することによって、高密度実装部品の狭いスペースにもスリーブを挿入することが可能な製品となっており、タッチセンサ/バッファーロックによって、ワークのばらつきを吸収。

 常に一定の圧でワークへ接触。

 スリム形状のハイパワーヒータを使用しており、カートリッジ式なので交換も簡単に行える。

 

 

 

 岩下エンジニアリング(株)では、トルク管理による正確なねじ締めを実現し、様々なネジサイズに対応するねじ締め工程ロボット(写真5)を紹介。

 

写真5 ねじ締め工程ロボット

 

 

 この他にも、塗布工程ロボットも展示し、注目を集めていた。

 同 社のロボットシステムは、ユーザーの様々な用途に合わせて組むことが可能で、プログラム制御による正確な繰り返し動作が行えるため、ミスがなく、品質の向上と生産力の向上を実現する。

 

 

 

 (株)弘輝テックは、『SELBOⅡ』ポイントはんだ付け装置を紹介していた(写真6)。

 

写真6 『SELBOⅡ』ポイントはんだ付け装置に関する展示

 

 

 同製品は、モジュール型インラインタイプで、混流生産が可能で、量産・自動化に対応。

 多彩なノズル選択により、タクトの短縮を実現する。

 また、インラインセレクティブはんだ付けシリーズとしては、ドット式エアロジェットスプレー仕様の『SELBOⅡ-SJ』スプレーモジュールや、カーボンランプ式予熱ヒータ『SELBOⅡ-H』予熱モジュールなどがラインアップされている。

 

 

 

 KnK(株)は、X線チップカウンタ『HAWKEYE1000』を紹介していた(写真7)。

 

写真7 X線チップカウンタ『HAWKEYE1000』

 

 

 同製品は、リール内の電子部品を、4リール(180mm)同時に、99.9%の精度でしかも高速にカウントできる装置。

 リール、部品は一般的なものであれば登録や設定をする必要がなく、画面操作も簡単なので、トレーニングなどに要する時間の削減にも貢献する。

 さらに、放射線漏れを保護する遮蔽構造、二重安全システムの採用など、安全性にも配慮されている。

 

 

 

 (株)サヤカでは、自動化対応型のルータ式基板分割機『SAM-CT34XJ』を紹介(写真8)。

 

写真8 自動化対応型ルータ式基板分割機『SAM-CT34XJ』

 

 

 基板の供給・排出の自動化を前提としたきめ細やかな標準仕様の本製品は、カメラで基板を見ながらのティーチングが可能で、CADデータによる編集も可能。

 画像処理機能の搭載によって切断位置を自動補正する他、ルータビットの高さを自動で切り替え、長寿命化を実現する。

 実装後の基板を、低ストレス、かつ安全に切断する。

 

 

 

 (株)日立技研は、目視検査支援機Neoview『NVS500DM』を紹していた(写真9)。

 

写真9 目視検査支援機『NVS500DM』

 

 

 自動外観検査機(多数のメーカー品に対応)と接続して使用できる本製品は、搭載したカメラが、自動外観検査機の確認個所を自動追跡。

 検出した不良個所に即座に移動するため、見逃す心配がない。

 外観・目視検査結果と修正個所を一元管理し、判定内容を画像付きで保存するのも大きな特徴で、品質向上とコストダウンを実現できる。

 

 

 

 マランツエレクトロニクス(株)は、卓上型多機能検査装置『i22Xシリーズ』を紹介。

 アングルカメラによる斜視検査を実現するタイプの製品を参考出展していた(写真10)。

 

写真10 卓上型多機能検査装置『i22X-300』 

 

 

 ターンテーブルでワークを回転させての多面検査が可能で、ティーチングペンダントレスソフトから直感的に操作できる。

 同シリーズの製品は、検査の用途に合わせて、照明タイプ、ロボットサイズの選択が可能である。

 

 

 

 メイショウ(株)は、プラットフォーム型リワーク装置『MS9000SE(LPC)』(写真11)を紹介していた。

 

写真11 プラットフォーム型リワーク装置『MS9000SE(LPC)』 

 

 

 同製品は、自社開発のITTSⅡ(自動温度追尾システム)により、部品取り外し作業を行いながら同時に基板の温度プロファイルの取得が可能。

 推奨温度プロファイルを入力するだけで面倒なプロファイル作成が15分ほどで完成し、作業時間の短縮に貢献する。

 その他、スキルレスな位置合わせ機能や、自在な拡張機能を有している。

 対象基板サイズは400×500mm、対象部品サイズは□1~50(0402~オプション)、となっている。

 

 

 

 また、展示会場には、中小企業・小規模事業者などの生産性の向上のための設備投資など、「新規ビジネスモデルの構築を支援する経費の一部を補助」する、「ものづくり補助金」の無料相談ブースも設置されていた(写真12)。

 

写真12 「ものづくり補助金」の無料相談ブース 

 

 現在、「MUSUBI」キャンペーンとして、この「ものづくり補助金」の無償申請サポートのサービスが行われている。

 サポート料金不要で、購入者の負担費用を抑えて製品を導入できる、として、来場者が相談を受けていた。

 

 

 

 なお、「MUSUBI」参加企業は現在も募集されている他、同展示会は、去る6月10日と11日には名古屋で開催され、さらに8月には熊本、10月には兵庫での開催が予定されている。

 「MUSUBI」の、今後の展開に注目していきたいと思う。

 

 

 

 

Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社エレクトロニクス 実装技術 編集部

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