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編集企画 2018.06.17

電子機器トータルソリューション展レポート

基板の窓口編集部

電子機器トータルソリューション展レポート

2018年6月6日(水)~6月8日(金)東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて「電子機器トータルソリューション展」が開催された。今回で48回目を数える「JPCA Show」、「マイクロエレクトロニクスショー 最先端実装技術・パッケージング展」、「JISSO PROTEC 実装プロセステクノロジー展」、「有機デバイス総合展 IoT対応半導体・回路基板展」、「WIRE Japan Show 電気・光伝送技術展」「Smart Sensing 2018」で構成され、東京ビッグサイト東4から8ホールを埋め尽くしている。今年からセンサー及び関連するシステムなどに関するアプリケーション展である「Smart Sensing 2018」が加わり、これまで以上に「電子機器のトータルソリューション展」感が強まった。今年は、514社・団体の1473小間が会場を埋め尽くし、3日間で昨年118%増の50,827名が来場した。

富士通インターコネクトテクノロジーズ(株)は、富士通というグループ力でプリント配線板のみならず、基板に関するあらゆるニーズに対応し、製品開発のベストソリューションを提供している。本展示会でもグループ会社と共に技術・製品を紹介していた。
展示されていたのは同社最新のUNIXサーバ『SPARC M12』に関連する技術。2017年4月の発売当時、世界最速(同社調べ)だったUNIXサーバ『SPARC M12』には、プロセッサ『SPARC64 Ⅻ』が搭載されている。同プロセッサは、コア当たりのスレッド数を8スレッドと、従来製品より4倍に増やして、演算処理性能を高めており、チップ当たりのコア数は12コア、96スレッドで、コアの最高周波数4.25GHzとしている。このプロセッサには、薄膜キャパシタ内蔵基板『GigaModule-EC』がサブストレートとして採用されており、高容量のキャパシタ層を内蔵していることでノイズを低減している。これにより更なる高速処理を可能とし、また、キャパシタを内蔵していることで実装有効エリアを阻害しないといった特長をもつ。

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パナソニック(株)プロセスオートメーション事業部は、『Smart Factory Solutions~Process Innovation~』をテーマに展示が行なわれていた。
新製品の汎用タイプモジュラマウンタ『VM101』と『VM102』は、多品種少量生産ニーズに即した部品供給錬数の異なるモデルで、ハイエンドのNPMシリーズや汎用タイプのAM100で培ったノウハウを継承進化させており、4種類の装着ヘッド、多彩な供給部バリエーションの組み合わせで様々なニーズに応えるシングルビームのマウンタである。
特長は、➀奥行を短くしたコンパクトなマシンで、従来品に比べ58%(VM100)、25%(VM102)縮小しており、手狭な工場で稼働する老朽機を含んだラインへの連結に最適、②VM101は、NPM Xシリーズの高速ヘッドも装着できるので、最高生産性42,000CPHを実現できる、③8mmテープフィーダ換算で最大80品種(VM101)、160品種(VM102)の部品を供給可能、などとなっている。

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(株)FUJIは、2018年4月1日に富士機械製造(株)から社名変更したことから『ALL NEW FUJI』をコンセプトに展示を行った。
生産エリアの高速多機能モジュラマウンタ『NXTⅢ』を軸に、計画エリアの統合生産システム『Nexim』、ピッキングエリアの自動部品倉庫である『sTowerⅡ』を組み合わせたソリューションを紹介していた。

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ここ数年のマウンタ市場は、部品が不足している中、マウンタメーカー各社は製造に苦労しながらも、好調を維持しており、この勢いが終息する気配も見えない。

そのような中、一般社団法人 日本ロボット工業会では、M2M連携にかかる標準化を進めるため、2017年10月に『実装機器通信規約標準化分科会』を発足した。2018年6月1日にはJARAS(実装機器通信にかかる日本ロボット工業会規格)として『JARAS1014(ELS通信仕様)』を発行した。この規格は、➀SMT実装ラインにおけるネットワークを使用したM2Mの基板搬送(PLC考慮)、②SMT実装ライン全体の生産機種切替、③M2Mによる検査結果情報の受け渡しを実現する。これによって、各社独特のラインの各装置内の基板情報や生産情報のもち方および隣接装置との通信方法の問題を解決でき、ライン全体での一貫した情報管理にかかっていた手間とコストを低減できる。この分科会には現在20社が参加しており、今後も標準化への取り組みが進められていく。来年度以降にリリースされる製品にこの規格が対応されていくという。

『Smart Sensing 2018』の主催者企画として、『Hapticsという技術テーマ』の展示が行なわれていた。Hapticsは、触覚を通じて情報を伝達する技術・学問分野で、振動や衝撃などをユーザインタフェースの一部として使用する。遠隔医療や外科手術ロボット、災害対策ロボット操縦などのオペレーションなど最近は応用例が広がり始めている。センサ単体ではPassive(受け身)でのデータ取得だが、Hapticsはインタフェースとなることにより、能動的なデータも取得することが可能となる。ちょっとした手触りや温度・湿度、力加減など、実際に人が感じている感覚が、各種センサ機器を通じて情報化され、専用のデバイスを通じて発信される。専用のデバイスが様々開発されることにより、デジタルの世界を実際に『触れる』ことを可能とする、Haptics技術は今後の世界やビジネスを変えていく技術として期待されている。当コーナーではTDK(株)TELEXISTENCE Inc.ミライセンス(株)が製品・パネルの展示を行っていた。
TDK(株)では、2つのアクチュエータを展示。『PiezoHapt Actuator』は、厚みがわずか約0.3~0.35㎜の振動ユニットで、低電圧による振動でも広範囲に皮膚感覚を伝えることができる。パルス制御により振幅、周波数を自由に変化させることができるため、多彩な振動パターンに対応できる。特長は、➀積層ピエゾ素子による薄型構造・低電圧駆動を実現、②FPCを採用し、ピエゾ素子へのワイヤはんだ接合は不要、③約4ms以下で瞬時に応答、などとなっている。会場では、カーナビの操作パネルのような画面が施されたタブレットが展示されており、パネルを指で操作する度に振動で操作感を感じることができるようになっていた。

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初日の6日には、くまもんが来場していた。2016年に発生した熊本地震で支援を行ってくれた企業へお礼をしながら会場を回っていたという。

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次回の電子機器トータルソリューション展は、2019年6月5日(水)から7日(金)まで開催される。2020年に東京オリンピック・パラリンピック開催の関係で東京ビッグサイト西ホールで行われる予定である。

 
 
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