日立化成(株)は、約30億円を投じ、半導体研磨材料「ナノセリアスラリー」の生産能力を、2018年夏をめどに約5倍に増強する。同社の「ナノセリアスラリー」は、半導体デバイスの回路形成工程で用いられる研磨材料、CMPスラリの新製品で、従来品に比べて研磨時に半導体基板上に生じる傷(研磨傷)を低減できるため、こうした傷に起因する回路の欠け・断線を防ぐことができ、半導体デバイスの微細な回路形成を実現することができる。
これは、昨今の高精細な半導体デバイスの需要増加に伴い、同製品へのニーズが高まったことによるもので、同社は約30億円を投じ、新たな量産設備を導入する。同製品の製造拠点である山崎事業所の能力増強に加え、アジア地域の半導体メーカーのニーズに即時に対応するために、台湾の子会社であるHitachi Chemical Electronic Materials (Taiwan) Co., Ltd. で同製品の量産を新たに開始する。これらの増強により、同製品の生産能力は約5倍に増加する。
同社は今回の増強を機に、3D-NAND等の半導体メモリや半導体ロジック等、今後成長が見込まれる分野に対して、同製品の拡販をさらに進めていく。