アールエスコンポーネンツ(株)は、同社が無償提供している基板設計CAD用ライブラリデータベース「PCB Part Library」の対応フォーマットにKiCadを追加したと発表した。KiCadは、GNU/Linux、Apple OS X、Windowsで動作するオープンソースの基板設計CADで、近年、国内で急速に普及が進んでいる。
同社が無償提供しているPCB Part Libraryは、プリント基板CAD用ライブラリの無料提供サービスである。同社が提供している「DesignSpark PCB(デザインスパーク PCB)」を始め、Autodesk Eagle、OrCAD、Altium、Mentor、PADSなど他社製のプリント基板設計CADでも使用できる。今回、国内で多く利用されているKiCadのフォーマットに対応することで、プリント基板設計の裾野をさらに広げるとともに、電子設計の一般への普及拡大に寄与するという。
プリント基板設計では、使用する全部品の「回路記号」や「フットプリント」といったCADライブラリを正しく作成する必要があり、こうした作業が全体の工数増大を引き起こしていた。KiCadの場合もこのライブラリ作成が普及にむけての大きな課題となっていた。PCB Part Libraryには、基板設計の国際規格IPC-7351に準拠した、膨大な部品のCADライブラリがあらかじめ登録されており、自由にダウンロードして利用できる。また未登録部品の作成を依頼することもでき、1~2営業日程度で利用できるようになる。このためユーザは、CADライブラリ作成にかかっていた時間を大幅に削減でき、基板設計の作業効率化を図ることができるようになる。
PCB Part Libraryの利用には、同社が運営するエンジニア向けコミュニティサイト「DESIGN SPARK(デザインスパーク)」から「Library Loader」というツールをインストールし、ユーザ登録を行う必要がある。