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展示会レポート 2018.10.19

JPCA Show / JISSO PROTEC 2018 〜第20回 実装プロセステクノロジー展〜

エレクトロニクス 実装技術 編集部

JPCA Show / JISSO PROTEC 2018 〜第20回 実装プロセステクノロジー展〜

 2018年6月6日(水)〜8日(金)の3日間にわたり、電子回路関連技術の総合展示会である『JPCA Show 2018 第48回 国際電子回路産業展』、『2018マイクロエレクトロニクスショー 第32回 最先端実装技術・パッケージング展』、『JISSO PROTEC 2018 第20回 実装プロセステクノロジー展』、『有機デバイス総合展2018』、『WIRE Japan Show 2018』、『SmartSensing 2018』が東京ビッグサイトにおいて開催された(『JPCA Show』は(一社)日本電子回路工業会の主催、『JISSO PROTEC』は(一社)日本ロボット工業会の主催)。

 出展者数は516社、小間数は1,476小間、3日間の総来場者数は合わせて50,827名に上った。

 千住金属工業(株)は、世界的に注目される再生可能エネルギーと電気自動車に貢献できるSMT向け放熱性向上ソリューションとして、2つのボイド低減方法を紹介していた(写真1)。

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 一つ目は、工法から見直した真空リフロー炉『SVR-625GT-C』と装置の性能を最大限に引き出す極低残渣ソルダペースト『M705-NRB60』である。ボイドだけでなく、真空により引き起こされる飛散にも着目し、多段階の真空条件を設定でき、ボイドは面積率で5%未満に抑制しつつ、飛散の低減も両立する。

 二つ目は、従来の工法のままでボイドを抑制する、汎用性を追求したソルダペースト『M705-ULT369』である。この製品はボイド低減だけでなく、部品小型化に対応し、廃棄量を低減することもできる製品である。

 シライ電子工業(株)では、両面撮像のAOI検査が可能な、インライン型のAOI『DS2 series』を紹介しており、来場者の注目を集めていた(写真2)。

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 ベリファイシステムとの組み合わせによって連続稼働を実現したこの製品は、インラインでの使用が可能。検査データの自動切り替えが可能なため、基板変更やデータ呼び出しの運転停止が不要。また、シートごとのマーキング(インクジェット搭載可能)により、ベリファイ作業のミスを防止。確実な識別や追跡が可能となっている。処理能力は、『DS2-HC』は450枚/h、『DS2-HR』『DS2-H』は350枚/h、『DS2-M』は240枚/h、投入サイズは305×305mm〜685×685mm(特別仕様として、最小 : 255×255mm対応可能)、検査範囲 : 305×305mm〜670×685mm、となっている。

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 同社はFIX製作〜検査制御回路〜検査ソフトまでを一貫してサポート。様々なニーズが要求される精密機器の検査工程の中で、オーダーメイドでの製作/作業性改善の提案/短納期製作への取り組みを行っている。各種製作品は3DCAD(SolidWorks)にて設計しており、完成イメージを事前に確認することができる。また、ハンドプレス治具(はさみ型、垂直昇降型、カスタム型)など、各種作業用途に合わせて製作可能。ROM書き込み、各種電気検査などの使用用途に適した小型基板検査治具や、4方向からのコンタクトが可能で各種電気検査などの使用に適した4方向スライド式治具など、自動機、手動機、カスタム品など各種作業用途に合わせた製作が可能となっている。ブースでは、小型インライン3連検査治具サンプルを参考出展し、注目を集めていた。

 (株)FAプロダクツのブースでは、スモールスタートができ、自社運用を実現するIoT、「稼働監視パッケージ」を紹介していた(写真4)。

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 同システムは自動帳票、稼働監視、生産進捗監視、ロス分析ができる機能を標準搭載。自動帳票機能で面倒な帳票作業から解放してくれる他、デフォルトで生産進捗画面やロス分析画面がモニタリング可能。既存設備はそのままに、ユーザー自身で簡単かつ自由に改造/追加ができるハードとソフトをセットにしており、スマートファクトリー化のスモールスタートが実現できるパッケージとなっている。低コストである点、専門知識が不要で簡単に設定できる点も大きな特徴となっている。

 アルファーデザイン(株)では、ダブルノズルによって塗り残しがない防湿剤塗布装置『ACM-300L』と、基板供給装置『ACL-22』を展示していた(写真5)。

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 防湿剤塗布装置『ACM-300L』は、循環式による安定した塗布を実現する製品。飛散がなく塗布膜厚も均一で、2ヘッドなので細かいところも塗布できる。また、高さ認識を取り入れたオートプログラムソフト『αPRO-3D』を使って、簡単にプログラムを作成することができる。同ソフトは、高さ認識によって塗布軌跡を自動設定。誰でも簡単にプログラム作成できるもので、これにより3Dによる、ぶつからないプログラミングを実現する。

 基板供給装置『ACL-22』は、Mサイズマガジンラック(標準仕様)以外にも対応でき、マガジンラック供給数変更もニーズに合わせて対応可能な製品となっている。ブースでは塗布検査装置の展示も併せ、塗布から検査まで、同社の多彩なラインシステムを紹介していた。

 (株)FUJIでは、ティーチング不要で導入が簡単な小型多関節ロボット『SmartWing』を、デモを交えて紹介していた(写真6)。

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 同製品は、座標補正技術とビジョンデータの活用によって、従来のロボットで必要だった現物あわせでのティーチングが不要なので、立ち上げに要する時間を大幅に短縮。登録済みの動作「技」に、「何を」「どこに」という情報を与えるだけの簡単な操作で、ロボットの動作を作成可能なのでロボットプログラムを作成する時間を削減できる。また、専門の知識や経験を必要とせず簡単に画像処理データやロボット動作を作成できるという特徴を有している。ブースでは、『SmartWing』を使用した、挿し込み作業を自動化する部品自動挿入機のデモンストレーションが行われていた。

 この他、同社は、ラジアル部品挿入機、アキシャル部品挿入機、ジャンパ線挿入機のそれぞれの専用挿入機を1台に集約した複合挿入機『sFAB-α』を紹介していた(写真7)。

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 同製品は豊富な機能で変種変量生産に即時対応が可能で、複合化と小型設計により、省スペースを実現。3つの工程を集約するので仕掛け品の削減を実現する。また、アキシャルテープフィーダ、ラジアルテープフィーダなど、組み合わせ自由な部品供給ユニットを用意。生産にあわせて必要なユニットをセットしている。さらに、着脱可能なフィーダパレットによって、外段取りとフィーダの一括交換が可能で、段取り作業の効率化に貢献する。

 JUKI(株)のブースでは、実装統合システムソフトウエア『JaNets』を中心に、「JUKI Smart Solutions 〜工場全体での革新的な生産効率の向上〜」というテーマで展示を行っていた(写真8)。

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 『JaNets』は、ライン管理機能、ISM(自動倉庫)とのシステム連携、データ作成機能、拡張機能を有するソフトウエアで、プログラムエディタで作成した生産プログラムをダウンロード/アップロード/モニタリングすることができる。ライン単位でオンライン制御でき、ラインごとの生産状態を、複数のラインでモニタリングすることも可能。また、マウンタの生産プログラムから、配膳表に基づき、ISMに出庫を指示し、ISMから部品を出庫する。生産終了後は、残部品を生産プログラムから生産に使用した数量をカウントし、部品残数を通知。さらに、残ったリールをISMに戻し、部品残数を更新することが可能で、ISMとの連携で、倉庫内にある部品の残数を常に効率的に管理できる。最新の実装ラインと『JaNets』との連携させることで変種変量生産における生産性向上を実現するもの、として、多くの来場者の注目を集めていた。

 ヤマハ発動機(株)のブースでは、「SMT Innovation The Real Deal 実装、極まる」として、あらゆる製品に最適な生産を実現できる同社のM2Mフルラインアップを紹介していた(写真9)。

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 なかでも注目を集めていたのは、実装ラインと連携し表面実装部品(SMD : Surface Mount Device)の保管および補給管理を自動で行なうインテリジェントSMDストレージシステム『YST15』。

 最大1,500本のリールを管理し、最大27本の一括出し入れが可能なシステムで、実装工程を一元管理できる「インテリジェントファクトリー」との連携によって、補給が必要となる実装部品を最適なタイミングで自動的に事前出庫し、一括供給することによって、作業者の負担を大幅に削減。部品供給遅れによる生産中断も防止できる。また、湿度管理機能もオプションで装備している。 この他に同社では、新製品のオートローディングフィーダ『ALF』を展示していた。

 この製品は独自技術による革新的な部品補給を実現するもので、オートローディング機能によって、いつでも、だれでも、簡単にテープ部品の補給がおこなえる。トップテープ非剥離方式により、毛羽や剥離帯電による吸着ミスを低減。独自のテープセット機構の採用で優れた作業性を確保できる。スプライシングレスを実現しており、省人化・マシン稼働率アップ・コスト削減に貢献する。

 同展示会の次回開催は、2019年6月5日(水)〜7日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて予定されている。

Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社エレクトロニクス 実装技術 編集部

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